リバランスとリアロケーションの違い

2022-09-12

ロボアドの資産運用の仕組みを調べていると、資産配分を見直す方法として「リバランス」と「リアロケーション」という言葉を目にします。それぞれの言葉の意味と違いについて確認していきたいと思います。

資産配分の見直し方法

資産運用を開始する際、年齢やリスク許容度、目的などに応じて資産配分(ポートフォリオ)を決めます。初めに決めた資産配分の比率が、時の経過や相場変動によって変化していきます。そこで資産配分の見直しが必要になります。

「リバランス」は、相場変動により変化したポートフォリオの資産配分の比率を、運用方針に従い元の配分に戻すこと。配分比率が低下した資産を買い増したり、逆に配分比率が上昇した資産を一部売却したりといった作業を継続的に行っていくことで、当初決定したポートフォリオの資産配分比率を維持します。各種ロボアドはリバランス機能を標準搭載しており、追加入金や定期積立時に自動でリバランスされますね。

リバランスの例

これに対して「リアロケーション」は、別の資産配分に変更すること。つまり、運用方針そのものを変更し、投資すべき資産対象を1から見直すことになります。

リアロケーションの例

リバランスとリアロケーション。同じ「資産配分の見直し」でも、意味が異なりますね。

なお、米国のG.ブリンソン教授の研究結果によれば、投資・運用の成果は「ほとんどアセットアロケーションで決まってしまう」とのことです。確かに、運用パフォーマンスは時流にあった運用方針でないと意味がありません。リバランスとリアロケーションはどちらも重要だと思いますが、成果に着目するとリアロケーションが重要といえます。

ロボアドのリバランスとリアロケーション

リバランスやリアロケーションを個人でやろうとすると、売買の手間のみならず、手数料が高くなってしまいます。ロボアドの場合、資産の組み替えにかかる手数料は業者持ちがほとんどで、利用者に手数料や手続きに関する負担は原則としてありません。ロボアドの自動リバランスと売買手数料のお得感はいいですね。

また、個人でリアロケーションをやろうとしても難易度が高く、時流にあった資産配分など予測が困難ですよね。ロボアドは、サービスによってそれぞれ特徴がありますが、リバランス機能とリアロケーション機能を持っています。ROBO PRO と SBIラップ のリバランス・リアロケーション頻度はほぼ毎月。THEO のリバランスは毎月、リアロケーションは3ヶ月に1回。WealthNavi のリバランスは毎月、リアロケーションは年に1回のようです(自分調べ)。 リバランスとリアロケーションの頻度や考え方も各種ロボアドで個性があって面白いですね。

ここでプチ考察ですが、ロボアドの多くは、アセットアロケーションを利用者に委ねていると思います。運用開始時のリスク診断をしますが、ざっくり5段階のリスク許容度からポートフォリオが決まります。リスク許容度は利用者の意思で何度でも変更できます。この仕組みは、別の言い方をすると、利用者の意思で株式や債券の比率が決めることができるということです。こうやって決定したポートフォリオは、これからの時流にあっているのか?相場予測ができているのか?おまかせ投資運用なのか?と問われるとちょっと微妙かもしれません。この先、ロボアド同士のパフォーマンス比較が重要になってくるでしょうね。

ちなみに、個人的には FOLIO ROBO PRO の運用ポリシーがシンプルで好きですね。リスク許容度は1つのみ。他のロボアドのように5段階のリスク許容度とか利用者に委ねません。それゆえに、入金時または月次でリバランス・リアロケーションが起こります。リアロケーション時は、ダイナミックに資産配分を変更する場合もあります。原則として8種類の資産に分散投資していますが、設計上は2種類の資産しか保有しない場合もあるそうです。攻めの投資も守りの投資も全自動。まさに人間の感情を排除したロボアドバイザーな気がします。

以上、リバランスとリアロケーションの違いと、ロボアド運用ポリシーの考察でした。

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